ドライバーのサイズについて
- 2020/8/25
- ノウハウ, 活用法
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コネクタ活用法② ドライバーサイズ PhとPzの違い
今回はドライバーのサイズについてのお話したいと思います。
前回ご紹介した「ネジの推奨締め付けトルクとドライバーサイズ」をみると、推奨ドライバーサイズのところに”Ph0“とか”0.5 x 3“と書いてありました。どういう意味なんでしょうか?
実は、”Ph0“はプラスドライバーの規格で、数字が大きくなるほどサイズが大きくなります。
“0.5 x 3“はマイナスドライバーで、単純に”厚み x 幅”で表されており、非常に分かりやすいですが、プラスドライバーの”Ph“の意味はなんでしょうか?
ドライバーは15世紀ごろに発明されたと言われています。実は1930年ごろまで世の中にはプラスドライバーは存在しませんでした。そのため、英語では”スクリュードライバー(Screw Driver)”は”マイナスドライバー”を指します。
プラスドライバーは考案者であるアメリカのHenly F Phillipsさんの名前から”フィリップスドライバー(Phillips screwdriver)”と呼ばれています。プラスネジは”フィリップスネジ(Phillips screw) “といいます。
賢明なみなさんはすでに気づかれたと思いますが、“Ph”はPhillipsの頭文字が由来です。工具のお店にいくと、+No1、+No2、+No3と書いてあるものもあります。
流通しているプラスドライバーとネジの多くは、このフィリップスタイプで、+No1 = Ph1と考えて問題ありません。PhのPを省いて「H」とサイズ表記している場合もあります。
ただ、ややこしい事に「Pz」と表記されたプラスドライバーをたまに見かける事があります。これは、Pozidriv screwdriver(ポジドライブ ドライバー)と呼ばれているドライバーで、イギリスで考案されたプラスネジの規格です。
ポジドライブは、カムアウト(ドライバー先端が浮き上がって外れること)が起こりにくい構造になっていて、特に強いトルクでの締付けが必要な箇所で使われます。
”Ph”と”Pz”は間違えそうですが、見た目で識別することが出来ます。
ネジ側では、頭の形状を比較すると”Pz”型には十字の間にXの切れ込みが入っています。
ドライバー側では、先端形状を比較すると”Pz”型には十字の間にリブが入っています。
ではもし、”Ph”と”Pz”のドライバーを間違って使ったらどうなるんでしょうか?
実際にイルメコネクタを使って、実験してみましょう。
実験1:インサート固定ネジ(推奨:0.8Nm, Ph1)をPz1のドライバーを使って推奨トルクで締付け
結果:OK Ph1ドライバーと差はなく、ネジ頭の状態も締付け前後であまり変わらない。
実験2:アース端子ネジ(推奨:1.2Nm, Ph2)をPz2のドライバーで締付け
結果:NG ドライバー先端がネジ溝にかからず、回し始めた直後からネジをなめてしまいました。
実験1の結果が意外でしたが、あくまでイルメコネクタのネジでの結果ですので、PhのネジはPhのドライバーを使ってくださいね!
(因みにPzのネジにPhのドライバーはフィットするそうです。)
[参考]
ドライバー(工具) WIKI
コメント
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H型フィリプスドライバーが欲しいのですが手に入らないのです。
どうすればいいですか?
H型フィリプスドライバーはPhタイプになります。モノタロウなどで入手可能です。