コネクタ用途徒然草 工作機械⑤
工作機械は産業用角型コネクタが多く使われている業界の一つです。
このシリーズでは用途や角型コネクタのメリットについて徒然なるままに解説いたします。
ネットワーク配線
Industry 4.0をはじめとして、装置のネットワーク化はどんどん進んでいます。工作機械についても同様にネットワークニーズがあります。
今回は工作機械のネットワーク配線について深堀りしたいと思います。
工作機械で使われているネットワーク
はじめに、工作機械に使われているネットワークの種類について整理したいと思います。上記の図は簡略化していますが、おおよそ3種類に分けられます。
①上位システムとの接続
生産ライン全体を制御するネットワーク
②周辺機器との接続(フィールドネットワーク)
製造工程やセル内の制御ネットワーク、ロボットや搬送システムなどとの接続
③機械内部での接続
センサーなど機器内の情報収集などに使われる
環境性能について
前述した各ネットワークの種類で要求される性能を下表にまとめてみました。
工作機械では、やはり環境性能を考える必要があります。
通信速度や応答速度など産業用ネットワークの特徴はココで詳しく解説されていますので、ご一読ください。
言わずもがなですが、オフィスで使われているRJ45コネクタおよびケーブルを産業用途で使うにはいくつかの問題があります。
・固定する爪の構造が弱く、壊れやすい
最近は良い商品が増えてきましたが、脱着が多い場所では良く爪が壊れます。
また、引っ張ると簡単に脱落してしまうケースもあります。
・一般的なイーサネットケーブルではシールド保護がない
イーサネットはもともとノイズに強い通信ではあります。
ただし、通信性能が低下することもあるため、シールド保護が望ましいです。
・防水性・防塵性(IP保護性能)がない
特にフロア配線(機械の外)においてはコネクタ部のIP性能は必須です。
以下に環境性能に優れた産業用コネクタをご紹介します。
M12
まずはじめにM12タイプコネクタをご紹介します。
産業用の丸型コネクタというとMILコネクタ(詳しくはコチラ)を思い出される方が多いと思いますが、ヨーロッパ発祥のミリネジ規格のコネクタの一種で、M12サイズが多く普及していますが、M5〜M58まであるそうです。
普及しているM12コネクタは下記の3種類です。
Aコード(センサ用) 規格 IEC61076-2-101
Dコード(イーサネット用) 規格 IEC61076-2-101
Xコード(高速イーサネット用CAT6A) 規格 IEC61076-2-109
用途毎にコードが設定されており、メーカー間互換があります。
なにより、コネクタがIP67に対応しているだけでなく、ハブもIP67対応の商品が多く用意されていますので、装置内での接続には非常に優れた商品といえます。
(日本テレガートナーM12コネクタラインナップ)
角型コネクタ(小型タイプ)
つぎに我らが角型コネクタをご紹介します。
M12タイプ同様に高いIP性能を誇ります。大きな違いは堅牢性と操作性です。
制御盤面に配置し、設備間通信でご使用いただけます。
最近は、汎用のイーサネットケーブルをIP67対応にするユニバーサルアダプタもあり、現場での加工性も非常に高まっています。
様々な取り付け方法や光ファイバー対応タイプなど多くのラインナップをご用意。(ラインナップ一覧はコチラ)
角型コネクタ(モジュールタイプ)
最後にモジュールタイプの角型コネクタをご紹介します。
ご存知のとおり、モジュールタイプは用途に応じて組み合わせることが可能です。(MIXOモジュラーコネクタ)
サイズは大きくなりますが、動力やその他の制御信号を組み込むことが可能ですので、工作機械と搬送システムのように専用の設備を接続する方法としては非常に優れています。
RJ45タイプのコネクタだけでなく、切削コンタクトを使用した非常に堅牢なネットワークモジュール(MIXOメガビット)もご用意しています。
モジュールタイプでは、最大10,000回の嵌合回数に対応するラインナップもあり、検査システムなど高頻度に脱着する場合などにも便利です。
まとめ
今回、代表的な産業用ネットワークコネクタをご紹介いたしましたが、製造システムのネットワークニーズの高まりに応じて様々な商品が開発されています。
ご使用の用途に最適な商品を選択することが大切です。
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