複合ケーブルが実現するロボットの省配線化

複合ケーブルとは?

複合ケーブルは、一つのケーブル内に動力や制御信号、イーサネットなど、異なる配線を統合したものです。

例えば、一般的な垂直多関節ロボットの場合、コントローラとロボットの間は、モータ用動力、ブレーキ、エンコーダ、各種制御信号などが軸数の分だけ配線されており、3〜4の本程度のケーブルで接続されています。

これを複合ケーブルで1本化することで省配線化を実現することができます。

では、この例で復号化のメリット・デメリットを考えてみましょう

<メリット>
 ○保守性 ○電線コスト ○断線リスク 
<デメリット>
 ✕動力線ノイズ ✕動力線の熱 ✕操作性   

一本化することで、保守性やコストの低減、また断線のリスクの低下が期待できます。
一方でリスクとしては、動力線が発生する熱・ノイズによる制御線や通信線への影響が懸念されます。さらに、芯数が非常に多くなるためケーブルの外径が太く取扱いしにくくなります。

制御線をネットワーク化

前述の通り、複合ケーブルは省配線などのメリットがある反面、ノイズや操作性の問題があります。そのため、実際に複数のケーブルをまとめるためには、いくつかの工夫が必要となります。
 ① ノイズの影響を減らすためのシールド処理
 ② 熱の影響を低減するための介在やケーブルの配置の工夫
 ③ ケーブル径を最適化し、しなやかさを維持するための最適配置

上記は金子コードの提供する複合ケーブルの一例です。これは可搬重量100kg程度の垂直多関節ロボット用に設計されています。

上記は川崎重工のロボットです。モーターのサイズを見ると、1〜3軸は上腕部の4〜6軸よりも大きいのがわかります。
金子コードの複合ケーブルの構成とモーターの関係は以下の通りです。

ここで、ロボットを動かすために重要な信号が抜けています。”エンコーダ信号”です。もし、エンコーダ信号をそのまま複合ケーブルに統合しようとすると、4本x6軸=24本必要になります。
また、実際にはハンドや周辺機器を制御するための信号も必要になります。

そこで、これらの制御信号をフィールドネットワークに置き換えることで、大幅な省配線を実現しています。
フィールドネットワークに置き換えるためには、別途変換基板が必要となりますが、わずか25mmの仕上がり外径に上記の信号をすべて統合することが可能となっています。

ドイツBBHのエンコーダ信号→EtherCAT(FSoE)変換基板

MIXOと複合ケーブルは最高の相性

ギガビット・イーサネットモジュール

ロボットの配線にフィールドネットワークを統合すると、省配線だけでなく周辺機器の制御や、セーフティー対応などのメリットが期待されますが、やはり”モーター動力によるノイズって大丈夫なの?”という疑問があると思います。

コンテック社によるとケーブル輻射ノイズ500Vで0.004%、2,000Vでも1%以下の通信エラー率というテスト結果がありますが、実際のところ工場内では多数のイーサネットケーブルが使用されています。イーサネットは差動通信で絶縁されているため、高いノイズ耐性があることもさることながら、エラー修正しても十分な通信速度を確保している面も大きいと考えます。

いずれにしても、複合化した場合にはシールドやケーブル配置により、動力からのノイズの影響を低減することも重要です。
イルメのMIXOモジュラーコネクタには複合化に最適なイーサネットモジュールが用意されています。
ケーブルのシールドをしっかりとクランプしてシールド状態を確保することが可能です。

国際ロボット展に出展します

展示会名2023国際ロボット展
会期2023年11月29日(水)〜12月2日(土)
場所東京ビッグサイト
展示ブース金子コード株式会社ブース
東棟 E2-26

2023国際ロボット展に出展します。上記のロボット用複合ケーブルのほか、最新のモジュラー制御システムとロボットの連携デモなどを展示しております。

ご来場をお待ちしております。

資料

詳細資料は こちら

お問い合わせ

複合ケーブルは用途に合わせたカスタム対応が必要となります。イルメと金子コードではコネクタとケーブルの最適なマッチングでご提案させていただきます。ぜひお問い合わせください。

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