シリーズ コネクタと人手不足③

結線方法による工数削減
コネクタ素人が実際に体験!

シリーズ コネクタと人手不足 では、現場で簡単に省人化や簡単化を実現するコネクタの活用方法をご紹介していきます。

さっそくシリーズ第3回目の配信です!

前回は丸型コネクタと角型コネクタを実際に配線して、作業時間や工数など様々な面から比較しました。
丸型コネクタと比べて、角型コネクタの方が全体の作業時間の50%短縮可能という結果に!詳しくはこちら

1つのコネクタではほんの数分の差ですが、塵も積もればなんとやら…
コネクタを通して少しでも人手不足解消のお手伝いをできたらいいなと思っています。

さて、今回はイルメのメイン商品である角型コネクタに焦点を当てていきます。

最速の配線方法は?

いきなりですが、角型コネクタの結線方法はいくつあるかご存知でしょうか?
ちなみに、丸型コネクタは “はんだ式” と “圧着式” の2つなのですが…


実は、角型コネクタには結線方法が4つもあるんです!!
①ネジ端子
結線方法の元祖。はんだのような特殊技能は不要ですが、締付けトルクの管理や、振動や経時変化による緩みの管理が必要
②圧着端子
高密度結線の決定版。特殊工具が必要ですが、信頼性と面積当たりの極数が最大化できるのでプロ向けの結線
③ボタン式端子
究極のツール不要結線。ボタンを押すだけで結線が完了するため、現場でのメンテナンスに最適ですが、サイズが大きいので極数が少なめ
④Push-In式端子
いま流行りの結線方式。差し込むだけで結線ができ、高密度も実現できます。
フェルールが無いと実用性が低いのが難点

それでは、4種類のコネクタを実際に配線して作業時間を比較!
各結線方法にメリット・デメリットが存在しているので、それも合わせてご紹介していきます。

作業者(筆者)スペック
・製造業界の知識0で入社し、現在6ヶ月目
・イルメを通して産業用コネクタの存在を知る
・文系大学出身
・不器用
・パン好き

<条件>
使用するコネクタは最小サイズ” 21・21 “サイズを使用
電線は4本ずつ配線

ネジ式

最初に一番オーソドックスな”ネジ式”のご紹介です。
オーソドックスとは言いつつも、実はあまり触ったことがない筆者。
電気に携わっているほとんどの人がご存知の配線方法なので、改めてご紹介する機会がなかったんですよね。


さて、準備するものはこちら
実際に配線する際には、締め付けトルクを測ることができるドライバーを使用するようですが、今回は配線時間を計るだけなので普通のマイナスドライバーを使います。

配線した感想としては、時間が経つにつれて、ネジが緩んできたりしないのかな〜とか思ったり。
実際に、振動などで緩むこともあるらしく、定期的に締め直しが必要なようです。ちょっと手間になってしまいそうです。

配線時間はまずまず?
他の配線方法はどのくらい時間がかかるのか気になるところ!

圧着式

お次は、”圧着式”インサートです。
こちらもコネクタの配線方法としてはメジャーなタイプです。
唯一、丸型と角型コネクタの両方にある配線方法です。

筆者は腕力には自信がありますが、ピンと電線を圧着するのに結構力がいるなと感じました。カシメたあとの配線は、カチッと差し込むだけで完了します。

圧着に力がいるのと、圧着専用工具が少しお高いのがネックになりますね。
量産であればコストメリットがありますが、少量だけだと工具を購入することをためらうお客様も…

ネジ式よりも30秒ほど早く配線が完了しました!

ボタン式

ここからは専用工具なしで配線が可能なツールレスな”ボタン式”です。
電線を差し込んで、ボタンを押すだけで配線が可能なSQUICH
筆者の推しインサートでもあります。

この簡単さ伝わりましたか??

裸線のまま配線ができるので、電線の加工いらず!
4種のコネクタの中で工数が一番少ないため、作業時間の削減のためにコネクタ化されるのであればSQUICHコネクタが最適なのではないでしょうか。

電線の位置さえ間違わなければ、誰でも簡単に配線可能です。

新記録が出ましたね。最後の配線方法はこのレコードを超えることはできるのでしょうか…

Push−In式

お次もツールレスな”Push-In式”です。
こちらのAXYRは、フェルール加工を施せば、カチッと音が聞こえるまで差し込むだけで配線可能なコネクタです。
最近は、端子台でもPush-In式が台頭してきているので、目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

余談ですが社内では、世間で言うきのこ派とたけのこ派のように、SQUICH派とAXYR派が存在しています。(ちなみに筆者はどちらも前者派です。)


圧着式と同じく、Push−In式でも圧着は必要になります。
ただ、フェルールの圧着工具は汎用的な工具のため、工具自体のコストは抑えられます。
インサートは他と比較すると少しお高め…

特殊工具が不要で極数の多いものがいいという方には、オススメできるインサートです!

結果発表

角型コネクタの配線方法を比較しましたが、いかがでしたか?
気になる各インサートの配線時間は以下の通りです。

簡単化・省人化の面から判断すると、ボタン式コネクタSQUICHに軍配が上がりました。

裸線で配線ができる簡単さと、コネクタ組立てにかかる時間を考えると圧倒的な勝利と言えるのではないでしょうか。

筆者の独断と偏見による
配線方法のご紹介

配線時間のみで見るとSQUICHが圧勝ですが、実は隠れたデメリットも…
筆者の偏見も交えて、それぞれのコネクタの詳しいメリット・デメリットもご紹介していきます!

コネクタ界の重鎮 〈ネジ式〉

長きに渡って配線界のトップを走り続けてきた重鎮

◯ 昔ながらの配線方法で好んで使用される方も多く、まだまだ現役で使用されている電気屋さんも多いはずです。
しかし、サイズに対して極数が少ない、定期的な締め直しのメンテナンスも必要などデメリットも多々あります。

△ 同サイズ・極数でツールレスコネクタも発売されているため、本格的な引退も近いかも…?

オールラウンダー〈圧着式〉

コネクタ界の三井寿。1番のオールラウンダー

◯ サイズはできる限り小さく、極数は多めで、信頼性もほしい、大電流も対応していると良いな、まあとりあえず全部対応しといて欲しい!という方にはオススメ。

△ 作業工数の多さと、圧着工具が高いのがデメリットに。
ココだけの話、数に限りはありますが工具の貸し出しも行っているんです。
角型コネクタ化の第一歩を踏み出しやすいようにお手伝いします(ぼそっ)

工数削減の救世主〈ボタン式〉

今回の配線時間グランプリのチャンピオン。
工数削減の救世主です。筆者の推し。

◯ 人手不足にはこれ!
簡単化・省人化には圧倒的にオススメなコネクタ。
電線加工は必要なし!ボタンを押すだけで、誰でも簡単に配線可能!
工数削減においては、このコネクタの右に出るものはいません。
再配線もマイナスドライバー1本で完結するという手軽さで花丸満点。

△ 極数は圧着式と比較して少ないため、対応できない場面も多々あり。
ボタンがあるため本体のサイズも大きくなりがち。

コネクタ界の新星〈Push-In式〉

もともと地下アイドルをやっていた女の子が突如として台頭してきた、言うなればコネクタ界の橋本環奈といったところ。

◯ 電線の加工は必要ですが、カチッと差し込むだけで配線が可能という手軽さで、角型コネクタだけでなく端子台でもPush-In式がシェアを伸ばしてきています。
同じツールレスコネクタのボタン式と比較すると、極数多めサイズ小さめで使用しやすい。

△ 本体価格はダントツで高いので、価格はとりあえず置いておいて、
極数多め+配線を楽にしたい方にオススメ。


コネクタ化には興味があるけど、種類や部品が多すぎて何を使用していいのかわからないという方!
お客様に最適なコネクタを、弊社営業マンが型式の選定から承ります。

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