工作機械とコネクタ②

コネクタ用途徒然草 工作機械②

工作機械は産業用角型コネクタが多く使われている業界の一つです。
このシリーズでは用途や角型コネクタのメリットについて徒然なるままに解説いたします。

クーラント(切削油)について

工作機械といっても色々とありますが、工具を使って金属を加工(切削・研削など)を行う機械ではクーラント(切削油)が使用されています。工作機械で角型コネクタが使用される目的の一つとして、クーラント耐性を含めた耐環境性が挙げられます。

クーラントは名前の通り”冷却”効果がありますが、”潤滑”や”洗浄”の目的でも使用されます。用途によって、水溶性のもの、油が主成分のものなど材質はさまざま存在します(クーラントについてはこちらに詳しく記載されています)。

ここで、クーラントが掛かる可能性がある場所でのコネクタの選定について考えてみましょう。

上記はエンクロージャ(コネクタを保護するカバー)の材質で比較したものです。
<樹脂タイプ>
クーラント耐性は○となっています。これはガラス強化樹脂で化学薬品耐性が強いものを使っているからです。上記のとおり、クーラントには様々な種類が存在するため、事前に評価を行う必要があります。
メリットはやはりコストです。クーラントがジャバジャバ掛かったり、切り粉がつくような場所でなければオススメします。
<金属タイプ>
クーラント耐性は基本的に問題ありません。標準タイプのガスケットはNBR製で経年劣化、油、潤滑剤への高い耐性を持ちますが、用途によってはバイトン®製(フッ素ゴム)が必要になる場合もあります。特にスピンドル近くでノイズの影響を低減したい場合などにも有効です。

中継ボックス(端子台ボックス)

工作機械はモーターやポンプ、各種センサ類などの多くの機器から構成されており、制御盤からの配線は機械のさまざまな場所に張り巡らされています。
ここで、電気設計者を悩ます一つの要因として、直接配線分岐配線の選択があげられます。

コスト的には直接配線にメリットがありますが、組立性やメンテナンスを考慮すると分岐配線にメリットがあります。
分岐配線の場合、中継ボックス(端子台ボックス)を使用するケースが多いのですが、下記のような課題があります。
・大きなスペースを必要とする
・脱着のための手間(蓋をはずして、端子台脱着が必要)

これらの解決方法として、角型コネクタと他穴ケーブルグランドの活用をご提案します。
ワンタッチで脱着可能で、30mm程度の小型サイズで非常に便利です。

余談ですが、”最適なケーブル長”は制御盤内でも機械側の配線においても課題になります。機械の場合はハーネスボードのようなものは使えませんので、現物合わせで加工を行うことも多いのではないかと思います。
最近ではメカの3Dデータを元に”最適なケーブル長”をデザインできるソフトがでています。
EPLAN Harness proDを使ったハーネス設計 7ステップ
イルメのコネクタも小型ですが、やはり加工が必要になります。事前に配線長がわかっていれば、別工程でハーネスを加工して、機械組立はワンタッチで済ませることも可能になります。

下記の動画はEPLAN Harness proD上でイルメコネクタを使って配線デザインを行っています。

今回も徒然なるままに、工作機械におけるコネクタについて語ってまいりました。制御盤面のケーブルの取扱いについてを中心に深堀りしたいと思います。

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