工作機械とコネクタ③

コネクタ用途徒然草 工作機械③

工作機械は産業用角型コネクタが多く使われている業界の一つです。
このシリーズでは用途や角型コネクタのメリットについて徒然なるままに解説いたします。

制御盤面のケーブルの取扱いについて

制御盤と機器間の配線の設計を行うときに、引込み配線を行うか、コネクタ接続にするか?迷うことがあると思います。
”機器間配線”は、さまざまな商品や技術がどんどん現れており、進化の早い世界でもあります。今回から数回に分けて深堀りしていきたいと思います。

引込み配線

外部のケーブルを制御盤に引込み、端子台や制御機器に直接配線します。
制御盤面のケーブル引込み方法はいくつかあり、メリット・デメリットがあります。

スポンジクランプ
日本の制御盤では結構スタンダードに使われている方法です。板金でスポンジを挟み込むようにします。
 制御盤.comより
<メリット>
ケーブル種類を選ばない
・板金でカスタム形状を作成しやすい
簡単施工でメンテナンスも楽
<デメリット>
保護性能の定義が難しい(ケーブル組合せ、荷重の影響)
スポンジの経年劣化
・ケーブルを伝わる水や油が内部に侵入することがある
規格適合が難しい

ケーブルグランド(シールコネクタ、コンネ等の呼び名あり)
ケーブル被覆をクランプして、ケーブルの固定と防水性を確保する方法です。
防水性はIP67/68と高い性能を持ちます。

過去記事:ケーブルグランド
<メリット>
高い保護性能(IP67/68)
樹脂製だと非常に安価
・加工が簡単
・入手性が高い
<デメリット>
・加工済みケーブルが使いにくい
ナットを締め付けるスペースが必要
・収納ケーブルが1または数本と限られる

コンジットグランド(フレキ・電線管の継ぎ手、コンネ等)
コンジットを制御盤面に取り付けるためのパーツです。複数の線をまとめて保護して引き込むことができます。
過去記事:コンジット
<メリット>
高い保護性能(IP67/68)
複数のケーブルをまとめて収納
・ケーブル保護能力高い(金属製だと耐ノイズ性もあり)
<デメリット>
メンテナンス性が悪い(単一ケーブルのみ交換はほぼ不可能)
・ケーブル固定機能がないため、別途養生が必要
コンジット部分も含めると高コスト

ケーブルエントリー(ブロック型)
制御盤面に取り付けて、複数のケーブルを切り分けて通すパーツです。
過去記事:ケーブルエントリー
<メリット>
加工済みケーブルを収納可能(分割タイプのガスケットを使用)
・ケーブルに最適なブロックを選択可能
組み換えで仕様変更が可能
・角型コネクタとサイズ互換
<デメリット>
・角穴加工など加工がやや煩雑

ケーブルエントリー(固定タイプ)
ブロック型と異なり把持するケーブル数・外径があらかじめ決まったタイプです。

<メリット>
加工が簡単(ケーブルを突き刺すだけ)
配線密度が高く、省スペース(ケーブルグランドに比べて3倍程度)
比較的コストが安い
<デメリット>
加工済みケーブルの収納は不可能
・ケーブル把持力は高くないため別途養生が必要
 ※商品によっては把持力が高いものもあります

まとめ

筆者の主観が若干入ってしまいますが(汗)、引込み配線を方法別に比較すると以下のようなイメージとなります。用途や設置場所によってベストな方法は変わりますので、最適なものを選択したいものです。

冒頭にお伝えしたとおり、技術はどんどん進化していますので、各機器の特徴を混ぜたハイブリッドな商品なども生まれています。
たとえば、丸形の分割エントリーならホールソーで簡単に穴を開けて、加工済みケーブルを配線することも可能です。
ご興味のある方はコチラ(DETASカタログ)をご覧ください。

今回は引込み配線について深堀りしましたが、制御盤面のケーブル処理にはコネクタの活用も大きなテーマです。次回は引込み配線とコネクタのメリット・デメリットを比較していきたいと思います。

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