世界の規格③ EUROMAPについて

今回はヨーロッパのプラスチックおよびゴム生産機械産業の団体が発行しているEUROMAPという規格について説明します。

EUROMAPとは

EUROMAPはヨーロッパのプラスチックおよびゴム生産機械産業の団体です。1964年に設立され、1000社を超える会員企業全体で世界の生産量の約40%、輸出量の50%を占める非常に大きな組織です。

EUROMAPによって主に以下のサービスが提供されています。
・バイヤーズガイド
 プラスチックとゴム生産機械メーカーに関する情報提供
・技術規格の策定と情報提供
 最先端の技術要件を実現する技術的推奨事項:EUROMAP技術推奨
・市場情報提供
 プラスチック・ゴム生産機械産業の市場情報、展示会情報などこの中で技術規格の策定にはコネクタが深く関わっています。

EUROMAP技術推奨とは?

EUROMAPが提供している技術推奨(Technical Recommendation)はプラスチック・ゴム生産機械に関する様々な基準やガイドラインを提供しています。
こちら(外部サイト /www.euromap.org)が技術推奨のページになります(上記の写真)。
内容は上記の写真の通り、一般規則(General)から射出成形機・押出成形機など各機械タイプ毎の規定が記載されています。

各項目を開くと下記のようにPDFを中心としたファイルが提供されています。
たとえば、EUROMAP 9は”閉動作時のプラテン平行度テスト”といったように色々なノウハウが公開されていますので、機械設計の参考になるかもしれません。

コネクタリスト

前述のとおり、EUROMAPの技術推奨は様々な基準やガイドラインを提供しています。
その中でも機械本体と周辺機器との通信規格が詳細に定義されています。この規格によって、例えば射出成形機+取出しロボットがスムーズに連携することが可能になります。
上記のリストは、EUROMAPで登録されているコネクタサプライヤーです。
なんと12社!も登録されてます。ご存知のとおり、角型コネクタは各社互換ですので、複数のサプライヤーから選択できるメリットが生かされています。
詳細はこちら(外部リンク)のページにあるエクセルリストを参照してください。

規格の内容

では、実際の内容を見てみましょう。コネクタに関する部分では、上記9つが主な規格です。上述のエクセルファイルのEUROMAP12のタブを見ると、下記のような表が書いてあります。
これは射出成形機とコアプーラーの電気接続についての規格です。

左側に各メーカーと対象型式があり、右側に見慣れたコネクタの概略図と接続配置があります。面白いのは相互接続なので、1つのエンクロージャに2つのインサートを配置し、オス・メスが反対に配置されています。
規格の詳細(こちら)をみると、上記のコネクタ情報だけでなく、各信号の中身やシーケンスが記載されています。

実際にEUROMAPを使った例を見てみましょう
下記は協調ロボットで有名なユニバーサルロボットの射出成形機用のインターフェースの取扱説明書です。EUROMAP 67を使っていることがわかります。(原本はこちら

進化するEUROMAP

歴史が長く、マーケットに浸透しているEUROMAPですが、最近の潮流である”つながる工場/スマートファクトリー”に対応するために、OPC UAへの対応が始まっています。下記は2018年にリリースされたEUROMAP77ですが、射出成形機とMES(製造実行システム)のOPC UAインターフェースを定義しています。

業界全体で規格を定義することで、効率的な調達や品質の改善また最新技術への適応を実現するEUROMAPの取り組みは他の産業でも展開すべきと思います。

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