コネクタ用途徒然草 生産ライン②

今回も生産ラインをテーマに考えたいと思います。

設備のレイアウトは最後に決まる

前回、自動車のクランクシャフト製造工程を例として設備間通信について解説を行いましたが、自動化生産設備は様々な機械が連動する大きなシステムです。
そのため、まず導入する機械や設備、ロボットなどが決まった上で、各設備のレイアウトが決まる流れになります。

ここで設備間通信のためのコネクタおよびケーブルについて考えてみたいと思います。導入される機械や設備の制御盤にはあらかじめ通信用のコネクタが用意されています。しかし、その設備の間を接続するハーネス(コネクタおよびケーブル)の長さは決めることができません。当然のことですが、長さが決まらないとハーネス加工を行うことができません。

余ったケーブル

長さが決まらない場合の対策としては、ハーネスを長めにつくるという方法もあります。しかし、設備間接続の場合は両端がコネクタになっていますので、当然ながら現場で長さ調整を行うのは少し面倒ですので、結果として余ったケーブルの処理は現場に塒(とぐろ)を巻くことになります。
場所を取るのはもちろんですが、ノイズを受けやすくなる(アンテナになってしまう)、動力の場合は発熱の問題(コイルになってしまう)という技術的な問題に加えて、高額な銅導体を無駄にすることになりますので、経済的にもベターな方法とは言えません。

コネクタ付きケーブル

そうすると、短納期で適切な長さのハーネスを用意する必要があります
そのためには、ハーネス加工の工程を短縮しなければなりません。

ハーネス加工の工程で、多くの方が困られているのが部品手配と専用加工工具の確保です。この対策として考えだされたのが”コネクタ付きケーブル”です。
これは、ケーブルメーカーとコネクタメーカーがタイアップして、ハーネスとして納入する仕組みです。両方ともメーカーですので、部品手配の心配はありません。また、専用加工工具も十分にあります。
ただし、”コネクタ付きケーブル”を活用するためには、あらかじめ仕様を決めておく必要があります。
イルメの角型コネクタは自動車生産ラインを中心に標準採用されており、8〜72極までのI/OとLANケーブルで多くの実績がありますので、ぜひお問い合わせください。

コネクタ付きLANケーブル 仕様例

現場加工が可能なコネクタ

別のアプローチとして、現場加工可能なコネクタを使用する方法もあります。
上記の写真のように電線の被覆を剥き、差し込んでボタンを押すことで加工が可能なコネクタ、SQUICH(スクイッチ)があります。
SQUICHは、現場加工に最適なデザインで、結線済みの端子はインサート面と同一になるため、加工・未加工が一目瞭然です。また、テスター用のスロットがオレンジのボタンに備わっているので、導通チェックも簡単に行えます。
工具不要で現場加工ができる一方、アクチュエータが内蔵されていますので、接続する点数が圧着加工タイプに比べると少ないのが難点です。

設備に合わせた最適デザイン

最後に設備間配線をさらに進化させるツールのご紹介です。
EPLANのHarnessProDを使うことで、設備の機構設計に合わせてケーブル配置を最適化することが可能です。例えば設備間をつなぐ搬送システムに設備間通信ケーブルを一体化することで、非常にスマートな配線が実現可能です。


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