小型コネクタについて

コネクタを学ぼう⑨ 便利な”小型角型コネクタ”

制御盤と周辺機器の接続にはどのような配線をされていますでしょうか?このブログでもメインの角型コネクタやケーブルエントリーなど様々ご紹介してきました。
やはり制御盤面はスッキリさせたいものです。もちろん角型コネクタの特長の一つであるMIXOモジュラーシステムでコネクタそのものを集約する方法も一つの手ではありますが、今回は小型コネクタをつかった統一化をご紹介します。

統一化するための条件と課題

制御盤パネル面のコネクタを統一化するためには、いくつかの必要条件と課題があります。
– 高密度に配置して、しかもスッキリきれいになる
– 動力・信号など既存の配線を置換できる
– メンテナンス性が高く、またリーズナブルなコスト

– 高い品質と信頼性
小型角型コネクタはこれらの課題にしっかりと対応した商品です。それぞれ見てみましょう。

高密度に配置してスッキリ

角型コネクタはロックレバー方式を採用していますので、密着配置を行ってもアクセス性が下がることはありません。MSコネクタのようなネジ固定方式の場合は、指を入れる隙間を用意する必要がありますので、20mm前後を空ける必要があります。
下記はMSコネクタとの取付ピッチ比較です。小型角型コネクタはピッチで37mm程度になりますが、同等程度のMSの18サイズでは59mmとなっています。

もちろん、小型角型コネクタにも制限があり、レバー方向には操作するための隙間が必要になります。下記のようにおよそ55mmが必要です。

動力・信号など既存の配線を置換

制御盤と機器間の配線は様々ありますが、小型角型コネクタはなんといってもバリエーションが豊富です。

<汎用タイプ>

汎用的な信号から小型のモーターに対応したインサートです。最大21極の多極タイプや、最大180℃に対応した高温タイプ、ツール不要のタイプなどが特長です。

<動力タイプ>

最近は技術革新が進んでおり、□30mmの小型ボディーで40Aまで対応しています。
ここで、角型コネクタの定格電流について大事なポイントがあります。角型コネクタの定格電流はEN61984に基づき決定されます。上記でご紹介している40Aの仕様ですが、使用する電線によって大きく変わります。例えば40A 2極+PEのCQ 4 02という商品では、10㎟の電線を使うことで40℃で70A!という大電流にも対応が可能になります。(選定に関して詳しくはコチラ

<通信タイプ>

やはりイーサネットを中心とした通信タイプのニーズは非常に高まっています。
イルメでは通信用小型コネクタのラインナップを大きく拡充しており、特に面白い商品としては、汎用のイーサネットケーブルを防水化できる商品なども出ています。

メンテナンス性とローコスト

CKハイジェニックタイプ+ツール不要CKSHインサート

メンテナンス性については、角型コネクタの特長であるワンタッチレバー方式に加えて、最近ではツール不要タイプのコネクタが出ています。
生産現場や客先での装置メンテナンスにおいて、特殊工具が不要になります。ユーザーでも安心して加工ができますので、海外輸出する装置などでは特に有効です。
また、小型コネクタのコストは比較的リーズナブルで百円単位でパーツの購入が可能です。(ネット通販MISUMIでの樹脂タイプのハウジング価格
なお、小型角型コネクタも各社互換なので、いざというときに代替入手ができるところも魅力の一つといえます。

高い品質と信頼性

小型角型コネクタの信頼性に基本は切削コンタクトによる電気接続の信頼性と、堅牢性の高いエンクロージャによる環境性能になります。上図は小型角型コネクタのバリエーションを整理したものですが、幅広い取り付け方法に加えて、環境に応じてEMC・高温・過酷環境等のラインナップも豊富なので、より信頼性の高い組み合わせを実現できます。

おまけ(MSコネクタとの比較)

小型角型コネクタの特長を見てきましたが、既存で使用されている耐環境コネクタの多くは丸型やキャノンなどと呼ばれているMSコネクタが多いと思います。
□30mmの角型コネクタは、MSコネクタでいうとおよそ18サイズ程度になりますので、これを基準に比較してみました。

Industry 4.0やDXといった生産システムの進化の中で、”ダイナミックセル方式”のように設備自身の柔軟性が求められる時代になってきました。
小型角型コネクタは、多彩なオプション対応や分散制御システムの接続に最適なパーツといえます。

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