コネクタの海外規格

世界の規格② コネクタの海外規格について

今回はコネクタの規格について説明します。

前回、規格は”安全や品質を確保するための決まりごと”と解説しましたが、実際にどんな決まりごとがあるのでしょうか?

コネクタの規格の目的は次の2つに分類することができます。

①コネクタの性能の定義  ②人体や機械の安全性の確保

まずは、コネクタの性能について考えてみましょう。
コネクタの性能というと、電圧とか電流などの諸元になりますが、まずは下記の表をご覧ください。
これはイルメコネクタの仕様書を抜粋したものですが、赤いで囲まれているところに注目です。



EN IEC 61984とかUL / CSA認証が規格になります。

電圧や電流のところに”定格”と書いてあります。定格とは指定された条件における仕様、性能、使用限度のことです。つまり、規格が指定した条件での性能が表されています。同じ規格を基準にすれば、別のメーカーの商品でも確実な性能比較ができます。同じ基準なので、性能や品質を統一できるわけですね。
でも、定格電圧を見るとULとENで違うし、ENにも2種類あります。。。
なぜでしょう?

それは、規格によって定義が違うからです。コネクタの規格は商用電源がベースに考えられています。たとえば690Vはスウェーデンの電圧です。ENで2種類の定格があるのは、”汚染度”の違いです。



電気の安全①で乾燥しているときと、濡れているときでは抵抗値が大きく変わるお話をしたと思います。
ホコリや水がある環境では、使える電圧に制限がかかるということですね。



ちなみに、耐環境コネクタは電気接続を保護するエンクロージャがあるので、基本的には汚染度2で使うことができます。

仕様書には、抵抗や温度範囲などの記載があります。詳細は後日説明しますが、やはり基準は規格が決めています。もう一つの規格の目的である、人体や機械の安全性の確保について考えましょう。下記の電気災害の種類を見てください。



人体や機械の安全性を確保するためには、災害の発生要因になる事象を防ぐことが大切です。各規格は対象になる装置や用途に対して、全般的に網羅するように考えられています。以下はJIS B 9960-1(機械の電気装置の安全)の概要ですが、幅広くカバーされてますね。



ほんとに細かく決まっています!
でも、この項目すべてを対応するのは大変。。。現実的に可能でしょうか?

そう、ユーザーが全ての機器や設計が規格に準拠しているかどうかを検証するのは現実的に不可能です。そのため、必要な規格に対応した機器を選定することが大切です。例えばEN 61984に適合したコネクタを使用すると、上記の感電保護や絶縁保護に準拠できます。

なるほど!機器自身が規格の要求事項を満たしていて、適切な使い方(仕様・取扱説明に正しく)をしていれば、安全も確保されるし規格対応も簡単になる、
つまり適切な機器を選ぶことが大切なのです。

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